あなたは負け続けている人生ですか?それは、競馬だけではなく人生に…という意味でも。まぁ、ハリボテはガチそっちの人間です。負け続けているというか、負けまくっている…という感じですね。

さて、本来負けている人間は人気にならないわけですが、競馬界では負け続けたことで有名になった馬がいますね。そうです、「ハルウララ」です。ここでは、「ハルウララ」の今を追いかけてみました。

「ハルウララ」って?

そもそも、「ハルウララ」とは何か、ご存じない競馬ビギナーさんにお伝えしていきましょう。「ハルウララ」とは、2005年まで高知競馬場で活躍(?)し続けた馬で、1戦も勝つことができなかったことで有名になりました。

その成績は、なんと113戦0勝。まさに、奇跡としてか言いようのない伝説を打ち立てた、伝説の競走馬として知られています。「ハルウララ」について、ハリボテも一度や二度賭けた記憶がありますが…まぁ、勝ってほしくなかった…という意味不明な感情を抱いたことを覚えています。

さて、そんな「ハルウララ」。負けまくっている馬はほかにいながら、なぜか皆に愛され続けた謎の馬としても知られています。名前が愛らしかったというのもありますが、なぜなんでしょうかね?

タフであったことがポイント!?

「ハルウララ」の成績を見る限り、競走馬至上際弱といっていいレベルだと想像できます。

もちろん、弱い馬はいっぱいいるわけですが、デビューを経てこの成績で走り続けているという謎のパワーは一体どこからやってくるのでしょうか。まず、父親のニッポーテイオーですが、安田記念などを制している正真正銘のサラブレッドです。母親はいまいちだったそうですが、それでも血統は悪くないので期待はされていたようです。

まぁ、母親の遺伝子が強かったのかもしれませんね。しかし、一般的にはここまで負け続けていたらレースなどに出す理由がありません。

金だけがかかっていくような気がしますが、じつはJRAの場合は出走するだけでその馬に出走手当が配当されるそう。つまり、レースに出れば出るほどお金をもらえるわけです。(負け込んでも)

「ハルウララ」もそれを知っていたのか、「とりあえず走れば金になる!オリンピックは、勝つことではなく出場することに意義がある!」というテンションでフル出走。かなり、体が丈夫だったことが功を奏したとのことです。

橋口浩二氏という男

さて、丈夫だった「ハルウララ」。とにかく、出たら負けるということである意味では人気が出る要素は持っていたようです。しかし、全国的に知られるほどではないですし、こんな地方の競馬場の負け続けている馬を誰が注目するのでしょうか…。

しかしとある日、「ハルウララ」に奇跡がおきます。それが、橋口浩二アナウンサーの決断でした。当時、高知競馬場は経営難に陥っており、明日の存続も危ぶまれていたレベルでした。そこで、橋口浩二アナウンサーが思いつきます。

“こんなに負け続けている謎の馬なんて、ほかの競馬場にいるはずがない。こうなったら、思い切りアイドルにしちまえ!”という発想です。

どうやら、橋口浩二アナウンサーは海外競馬についても勉強しており、アメリカでジッピーチッピーという100連敗している謎の人気場について知っていたのだとか。その姿に「ハルウララ」を重ね、人間の情を利用した高知競馬場再生活動をスタートさせたわけです。

なぞの需要!

「ハルウララ」で高知競馬場に集客作戦。本当に、こんな馬鹿げたことをしてどうにかなるのか…と思いきや、大当たり。

競馬界とは関係ないところでも「ハルウララ」の存在が知られるようになり、高知競馬場には「ハルウララ」が負ける姿を見に来る方が急増したのだそうです。さらに、今しかない!ということで、「ハルウララ」グッズを大量生産。結果的に、多くの収益を得るわけですが最も大きな売上げになったのが馬券。

「ハルウララ」は勝てない…つまり当たらないために、「ハルウララ」の馬券を購入すると「当たらない」という交通安全のお守りとして人気となったようです。

武豊が106戦目に騎乗した際には大きな話題となり、高知競馬場誕生以来の売上げに。113戦目に引退しているわけですが、とにかく競馬界に強烈なインパクトを与えた馬であることは間違いなかったでしょう。

今は千葉県

さて、そんな「ハルウララ」ですが馬主が転々としたり、厩舎が栃木になったり、北海道の牧場に行ったりいろいろな場所に移動していたとのころ。「ハルウララ」の馬主は、巡り巡って安西という方になっていたそうですが、千葉県御宿町にあるマーサファームに預託ながらも彼女が預託料の支払いを拒否。

結果、今はマーサファームにて、フリーの馬としてのんびり暮らしているのだそうです。

春うららの会

ちなみに、この馬を育ててるマーサファームの代表が、春うららの会というものを設立しています。

https://mf-urara.jimdo.com/

とにかく、一生懸命頑張ってきたこの馬を皆で守っていこう、という支援の会のようなものです。「うーさん」と呼ばれているそうですが、やっぱり馬はかわいいですね。

一勝もできないダメ馬と言われながらも、結果的には優しい心の持ち主たちに支えられている「ハルウララ」。24歳というおばあさん馬になってしまいましたが、これからもひっそりと応援し続けましょう。