武豊氏が、以前とあるウェブインタビューにて、厳しい世界情勢であっても競馬が継続されていることにコメントしていました。

とにかく、この状況であっても仕事ができる幸せを噛み締め、競馬ファンたちの楽しみのために全力を尽くす…と語っていたことが印象的でした。

さて、競馬をはじめ、競艇など公営ギャンブルは中止になりませんでしたが批判も少なく、むしろ“やってくれ!”という声の方が多かった印象です。ハリボテは思います。こういった時こそ、リアルだな…と。

●国にお金が入るから…?

まず、公営ギャンブルの最大の特徴といえば、売上げの10%程度が国の収入になるというところです。

もちろん、税金だって入りますからね。さらに、競馬の年間の売上げは3兆円を超えているということですから、これを中止にするというのは国にとってかなり打撃になるわけです。パチンコが自粛しなかったのも、まぁ癒着がいろいろあるといわれていましたが結果的には自粛。最後まで生き残ったスポーツは、競馬や競艇、競輪だけだった…という結末でした。

まぁ、黒い見方をすれば国がどうしてもお金をこれからだけいただきたい…というイメージ。つまり、大批判が起こるはずなのですが…今回はそこまで批判されていません。

ハリボテは、ここに今回の話の鍵を見出しました。

●競馬は人気

まず、競馬はある意味でスポーツの一種ですが、基本的にはギャンブルです。ギャンブルということは、お金を賭けて当たればそれ相応の払戻金が支払われるということですよね。

TOTOや野球賭博、賭け麻雀、闇カジノ、宝くじなど、まぁ日本国内にはこういったギャンブルネタが数多くあるわけですが、比較的競馬はクリーン。

有名タレントを利用したり、女性向けの施設をつくったり、危ない兄ちゃんとおっさんが集うだけではないギャンブルというイメージ作りに成功しています。

もちろん、パチンコなども女性に人気ではありますが、それでもまだまだ競馬の人気に及ぶことはありません。誰でも手軽に手を出せるギャンブルであり、印象も悪くないことから批判の対象から外れやすい側面もあるわけです。

●リアルな時

さて、この状況においてなぜ競馬が厳しい意見をぶつけられないのか。ハリボテが考えるリアルな部分ですが、“上っ面ではない夢を誰にでも見せてくれるから”だと思っています。少しわかりにくいかもしれませんね。例を出しながら、わかりやすく伝えさせてください。

●夢を与えるという意味の違い

競馬以外の普通のスポーツはほぼすべて中止になっています。というか、オリンピックまでが延期になりましたからね…。スポーツ界にとってはなかなか厳しい情勢が続いています。しかし、競馬は継続ですね…。

批判もありません。まず、普通のスポーツは選手たちの頑張りを見た我々が感動し、夢を与えてくれる…というものです。

また、応援している選手がどんどん強くなっていく部分…。自分の応援している選手やチームが優勝するまで応援し、その結果に一喜一憂するという楽しさがあるわけです。そういったスポーツは素晴らしいと思うのですが、結果的に自分たちが明日どうなるかわからない状況で、そういったスポーツを楽しむ余裕があるか…といわれると疑問でしょう。

無観客であっても、スポーツ選手たちの稼ぎにはなりませんし、そもそも論として見ている人たちにも一円も入りません。というか、ネットの試合を有料視聴にしたら赤字です。しかし、競馬は違います。なぜか、我々が儲けることができるわけです。

●生活まで面倒を見てくれるという娯楽

よくない思想ではありますが、正直競馬で万馬券を当てることができたら当面の資金になります。本来、生活資金をギャンブルで稼ぐことはおすすめしませんが、このご時世。

そういった夢を見てもいいのではないでしょうか。こんな厳しい状況下の中で努力をし続けている騎手や馬、そして関係者の方々。その姿を見ているだけで勇気をもらえる上に、お金を出したら倍額になって戻ってくることだってあるのです。

いや、相当な金額で払戻金を手に入れることもできるでしょう。これを、娯楽と言わずしてなんと言うのでしょうか。こちらにビタ1文入ってこない普通のスポーツを応援するよりも、ネットから手軽に投票して儲けることができる競馬を批判する人はまずいないのです。

●結果的に金である

今回のことで、ハリボテは気づくことができました。まず、スーパーなどの食料品。安く、手軽に購入できる食材を提供するような店舗は強かったですね。

さらに、競馬などのスポーツとギャンブルが合体している商業。これも、夢を与える上に金が稼げるため人気です。結局、不要不急のものは売れたり人気が出ず、人間としての生きる最低限の楽しみや行き方をケアできるものだけが生き残ったわけです。

これって、すごいことだと思わないでしょうか。ハリボテは、競馬を応援します。競馬こそ、生き残るべきギャンブルなのではないでしょうか。