競馬新聞などを読んでいると分からない単語が出てきた事があると思います。ここでは競馬用語を分かりやすく解説しています。競馬予想をしている時など、困った時にお使い下さい。むずかしい競馬用語もこれで安心。

【あ~お】の競馬用語

息を入れる

主に逃げ馬に対して使われる言葉で、道中ペースを落としてラストスパートのためのスタミナを温存すること。逃げ切るためには重要な要素で、騎手の腕によるところが大きい。

育成牧場

競走馬のサイクルは、大きく生産、育成、競走のそれぞれのステージに分けられるが、さらに育成ステージは生まれてから離乳までの初期育成、騎乗馴致前までの中期育成、馴致から入厩までの後期育成の期間にそれぞれ分けられる。この中で施設を有し特に後期育成を専門に行う牧場を育成牧場という。高度な競走能力を要求される競走馬にとって、特に後期育成期間は競走馬としての基礎体力、躾を形成する点で大切である。これまでこの時期の管理技術については「強い馬づくり」を目指す中で日本の最も弱い部分とされてきたが、近年競馬欧米先進国を範にして、大きく進歩してきている。

イレ込む(いれこむ)

イレる、またはじれるともいわれ、馬が興奮したり、何かに気を使って落ち着きのない状態のこと。こういった馬はレースの始まる前(装鞍所、パドック、返し馬など)にスタミナをなくしやすいし、またゲートのミスや折り合いを欠く原因ともなり、レースで全能力を発揮できないことが多い。パドックでは気合の乗っている馬と見間違えやすく、発汗状態(異常に多いときはイレ込んでいる)を注意深く観察したい。また、イレ込み癖のある馬をイレッポといっている。

インブリード

血統表で5代前までに同一の祖先を持っているような配合のこと。近親交配ともいう。サラブレッドの場合、好んで近親配合を行なう場合が多い。表記する場合は○○(馬名)の3×4などと表わし、数字は世代数を示す。ナスルーラの3×4、といえば3代目と4代目にナスルーラが入っていること、5×5×5といえば、5代目に3回入っていることを示す。共通祖先の望ましい形質を固定させることを目的としているが、逆に隠れていた不良形質が現れる危険性も高くなる。

抑える(おさえる)

レースで、ポンと好スタートを切った馬を、手綱を握る両方の手を、クビのつけ根あたりを“おさえるように”してペースダウンして、マイペースに持ち込むこと。馬の機嫌を損じないように、巧くしないと、反対にひっかかって、セーブがし難くなる。また調教で目一杯追わず“おさえ気味に追う”という乗り方もある。調教でスタミナを使い過ぎないようにするときにこうして乗る。

折り合い(おりあい)

折り合い(おりあい)とは競馬のレース(競走)において、競走馬が騎手の制御・命令に従うかどうかを指す。
制御・命令に従うことを折り合うまたは折り合いがつくといい、制御・命令に従わないことを折り合いを欠くという。折り合いを欠き、前方へ疾走することを特に掛かるまたは引っ掛かるという。
一般に競走馬が折り合いを欠くとスタミナを消耗し、レース終盤での失速に繋がるとされる。特に長距離戦では致命的な敗因となることが多い。一方、短距離戦では序盤から早いペースでレースが推移しまた長距離戦ほどスタミナを要しないため、折り合いを欠くことによるデメリットが比較的少ないとされる。

【か~こ】の競馬用語

返し馬(かえしうま)

パドックから本馬場に入場してきた馬が、発走時刻まで馬場のあちこちに散ってする足ならしのこと。いわば馬のウォーミングアップ。

騎手(きしゅ)

乗り役ともいう。戦前は調教師の門を叩いて修行し、騎手となっていったが、戦後は、調教師のもとで修行した者が一週間ほどの講習を2、3回受講したうえで騎手免許試験を受ける短期講習制度(昭和23年から)と、日本中央競馬会馬事公苑で募集する2年課程の講習を終了してから騎手免許試験を受ける長期講習制度(昭和25年から)に分かれていた。昭和57年馬事公苑白井分苑の地に競馬学校がつくられてからは、長期講習制度に一本化され養成期間は3年間となった。なお、騎手免許試験は受検資格の要件を満たせば誰でも受験することが可能。

禁止薬物(きんしやくぶつ)

競馬施行規程第79条に規定された薬物。馬の競走能力を一時的にたかめ、または減ずる薬品または薬剤を指し、これを投与され、その影響下にある馬は、出馬投票できない。公正確保のため、レース後、1着から3着までの馬と、裁決委員が指定した馬については、禁止薬物の検査のための理化学検査を受けなければならない。この理化学検査は(財)競走馬理化学研究所が担当している。

減量騎手(げんりょうきしゅ)

別名は見習い騎手。騎手免許をとったばかりの若い騎手は、ベテラン騎手に比べると技術が未熟で同一条件で競走した場合、どうしても不利になる。そこでこういう騎手に騎乗機会を多く与え、育成を図るために、免許の通算取得期間が3年未満であって、勝利度数が100回以下の騎手(見習騎手)に減量制度がとられている。そのことから、減量騎手とも呼ぶ。見習騎手が特別競走とハンデキャップ競走以外の競走に騎乗する場合、その騎手の通算勝利度数により各々負担重量は以下のとおり減量される。

転がし(ころがし)

馬券の買い方のひとつ。あるレースが的中したらその配当金を次に買うレースにそっくり買い、さらに的中したら次のレースというように一気に大儲けしようという買い方である。雪だるま式に増えることから“雪だるま(買い)”とか、単に“だるま(買い)”と言うこともある。

【さ~そ】の競馬用語

差し脚(さしあし)

騎手が馬にスパートさせること。ひとつのレースの流れの中から加速(ペースアップ)させることだが、騎手は気合を入れるため手綱をしごいたり、ステッキを入れたり補助動作を加えてスピードアップを捉す。「3コーナーで仕掛ける」「仕掛けが早かった」などレース後のインタビューなどでさかんに使われるが、勝敗に直接関係する言葉だからだ。また「仕掛け気味に追う」ということもあるが、この場合は気合をつけながらという意味で使われている。

仕掛ける(しかける)

騎手が馬にスパートさせること。ひとつのレースの流れの中から加速(ペースアップ)させることだが、騎手は気合を入れるため手綱をしごいたり、ステッキを入れたり補助動作を加えてスピードアップを捉す。「3コーナーで仕掛ける」「仕掛けが早かった」などレース後のインタビューなどでさかんに使われるが、勝敗に直接関係する言葉だからだ。また「仕掛け気味に追う」ということもあるが、この場合は気合をつけながらという意味で使われている。

シャードーロール

頭絡の鼻革にボア状のものを装着したもの。芝の切れ目や物の影などに驚く馬に対し、下方を見えにくくして前方に意識を集中させる効果を期待して用いられる。また、競走中に頭を上げる癖のある馬に使用することによって、頭を下げさせ、馬を御しやすくする効果を期待して用いられることもある。

収得賞金(しゅうとくしょうきん)

しばしば本賞金と混同されることがあるが、収得賞金は競走条件(クラス)を区分するための賞金のことを言う。中央競馬のレースの場合、レースで第1着(重賞競走は2着まで)となったときに、出走したレースの競走条件に応じて下表の金額が算入される。

《収得賞金一覧》
競争収得賞金に参入する額
新馬・未勝利競走400万円
500万円以下競争500万円
1,000万円以下競争600万円
1,600万円以下競争900万円
オープン競争
(重賞競争を除く)
平地競争2歳馬競走九州産馬限定競走700万円
上記以外の競争800万円
3歳馬競走1,000万円
3(4)歳以上馬競走1,200万円
障害競走一般競争600万円
特別競争750万円
重賞競争該当する着順の本賞金額の半額

審議(しんぎ)

競馬における審議(しんぎ、英:Stewards' Inquiry,または単にinquiryとも)とは、ある競走において発馬機のゲートが開いてから決勝線を迎えるまでの間に、不正な行為がなかったかを審査やチェックすることを指す。

ソラを使う

馬の癖のひとつで、レースや調教時にふとしたことから馬の気が散り、走ることに集中力を欠くこと。

攻め馬(せめうま)

馬の調教のこと。競走馬は攻め馬によってコンディションを仕上げ、レースに臨む。この攻め馬の状態如何は、勝馬検討の重大なポイントになる。攻め馬は毎日行われるが、最後の仕上げは水曜日や木曜日に行なわれ、これを一般に追い切りという。

【た~と】の競馬用語

強目(つよめ)

実戦同様に仕掛け気味に調教する状態。

地方競馬(ちほうけいば)

地方競馬の歴史は戦前にさかのぼるが、よって立つ法律(競馬法=昭和23年制定)の公布以降、現在の開催形態が確立された。施行者は「都道府県及び指定市町村(特別区を含む)」であり、馬主と馬の登録および騎手の免許は「地方競馬全国協会」が行なう。平成22年12月現在の競馬開催場は次の19場。

《各地方競馬場》
【北海道】帯広競馬場、札幌競馬場、門松競馬場
【東北】盛岡競馬場、水沢競馬場
【関東】浦和競馬場、船橋競馬場、大井競馬場、川崎競馬場
【北陸・東海】金沢競馬場、笠松競馬場、名古屋競馬場、中京競馬場
【近畿】園田競馬場、姫路競馬場
【中国・四国】福山競馬場、高知競馬場
【九州】福山競馬場、高知競馬場

タイムオーバー(てっぽう)

重賞競走、国際招待競走等の競走以外に出走した馬が、第1着馬より下表1の時間を超えて決勝線に到達したとき、翌日から起算して下表2に定める期間平地競走に出走できないこと。ただし、裁決委員がやむを得ないと認めたときは適用されない。

《表1》
距離右2欄に掲げる競争以外の平地競争新馬競走秋季競馬の3歳未勝利競争
芝コースにおいて行う競争ダートコースにおいて行う競争芝コースにおいて行う競争ダートコースにおいて行う競争芝コースにおいて行う競争ダートコースにおいて行う競争
1,400m未満3秒4秒4秒5秒3秒4秒
1,400m以上2,000未満4秒5秒5秒6秒
2,000m以上5秒6秒6秒7秒4秒5秒


《表2》
未勝利馬タイムオーバー1回目は1ヶ月間、2回目は2ヶ月間、3回目以上は3ヶ月間
その他の馬1ヶ月間

蹄鉄(ていてつ)

馬の蹄(蹄負面)に打ち付ける金属で作製したものを言い、かつては、調教用と競走用とに区分され、調教時には鉄および軽合金材から造られた蹄鉄を使用し、競走時には、競走ニウム蹄鉄といわれる競走専用蹄鉄に打替(交換)されていたが、打替を頻繁に行うと蹄が傷むなどの不利があった。そこで、調教時および競走時の両方に使用できる兼用蹄鉄が開発された。これは、アルミニウム合金材から造られ競走前後の打替を必要としない。現在ではほぼ100%の競走馬が使用している。

鉄砲(てっぽう)

比較的長期の休養明けでレースに使うこと。このような場合にレースに使うことを「鉄砲使い」、また鉄砲使いでレースで好走するような馬を、「鉄砲の利く馬」という。

出ムチ(デムチ)

「出ムチをくれる」といい、最初のダッシュがにぶい馬に対して、あるいはどうしても先行したいときに、スタート直後からムチを使って気合いをつけること。

【な~の】の競馬用語

内国産馬

外国産馬以外の馬。つまり日本で生まれた馬である。ただし、種付けのため外国に一時的に輸出された牝馬(日本軽種馬登録協会の繁殖登録を受けているもの)が輸出される前に日本で種付けして受胎している場合に、外国で生まれた子供を当歳の12月31日までに輸入した際には内国産馬となる。また、外国で種付けされた繁殖牝馬が日本に輸入されて産んだ持込馬も、現在では内国産馬として扱われる。

二走ボケ

休養明けを好走して人気になった馬が、二走めで凡走すること。

二の脚(にのあし)

一旦、一杯になった脚勢から追われているうちにもう一度伸び脚を見せることがある。これを「二の脚を使う」という。またスタート直後にが追われて一気に行くことも「二の脚が速い」とか「二の脚を使って」という言葉で表される。

能力検定競争

軍部の命令により昭和19年春から、馬券を発売する競走を一切禁じられたため、同年の春秋2期は「能力検定競走」として競馬が行なわれた。クリヤマトの皐月賞、カイソウのダービー、ヤマイワイの桜花賞などがこの能力検定競走にあたる。昭和20年からは戦争激化のため、能力検定競走そのものもなくなった。

【は~ほ】の競馬用語

ハンデキャップ

ハンデキャップ競走で各馬が負担する重量をいう。これは3人のハンデキャッパーが、各馬に等しく勝機を与えようと決定するもので、競走成績や最近の調子などを資料とし、馬の能力に応じ重量を増減させる。

ハロン (単位)

ハロン(furlong、ファーロングとも)は、ヤード・ポンド法における距離(長さ)の単位である。
定義は時代によって異なるが、現在は1ハロン = 220ヤード = 660フィートとなっている。1ヤードが0.9144メートルと定義されているので、1ハロンは201.168メートルとなる。
また、10チェーン(chain) = 1ハロン、8ハロン = 1マイル(mile)である。

フケ

発情の事で繁殖牝馬が種付けされる時の状態でこの状態でなければ種牡馬を受け入れない。繁殖牝馬はいつでもこの状態であるわけでなく、日が長くなる春先から数ヶ月の間、3週間位の間隔で周期的にやってくる。5~6日間継続し、この期間を発情期という。またこの状態が、競走馬に発生すると競馬に集中できず競走能力に影響する場合がある。

負担重量(ふたんじゅうりょう)

負担重量(ふたんじゅうりょう)とは、競馬の競走において、競走馬が負担しなければならない重量のことである。日本においては、昔、斤(きん)という尺貫法の単位で重さを定めていたことから斤量(きんりょう)とも呼ばれる(由来は、かつて負担重量の単位に英斤(ポンド)が用いられていたため)。また、カンカンともいう。現在日本ではキログラムが単位として用いられる。アメリカなどではヤード・ポンド法のポンドやストーンが単位に用いられる。

ブリンカー

ブリンカーは「遮眼革」ともいい、視界の一部を直接遮ることにより馬の意識を競走や調教に集中させ、周囲からの影響に惑わされずに走らせるために用いられる。フードの目穴部分に合成ゴムやプラスチック製のカップを取り付けたものが一般的で、カップのつくりやサイズによって遮る視界の広さを変えることができる。片側だけにカップがついているものもある。JRAの競走で使用する場合は、出馬投票時の届出が必要である。

【ま~も】の競馬用語

免許(めんきょ)

日本中央競馬会が調教師、騎手に対して行う免許のこと。この免許を受けた調教師又は騎手でなければ、中央競馬の競走のために馬を調教し、又は騎乗することができない。免許は免許試験に合格した者に対し行われることとなっている。免許の有効期限は1年であり、免許を受けようとする者は、年1回試験を受けなければならない。ただし、外国の調教師又は騎手に対しては臨時に試験を行うことがあり、試験に合格した者は有効期限3ヶ月以内の免許を受けることとなる(国際交流競走、短期免許等)。なお、地方競馬の調教師又は騎手が中央競馬指定交流競走に参加する場合は試験を免除され、当該交流競走に限り効力を有する免許を受けている。

メンコ

馬の覆面のこと。一般に耳おおいがついたものを使い、音に驚いたり、砂をかぶるのを嫌がる馬に使う。

【ら~ろ】の競馬用語

ラップタイム

200メートルごとに計測する、スタートからその地点までの所要タイムのこと。「はじめの5ハロン62秒1」といえばスタートから1000メートル地点を通過するまでに62秒1かかったということ。基準となるのはその地点で先頭の馬だから、たとえば1着馬の走破タイムは、ハロンタイムの積み重ねだと思えばよい。

【わ~ん】の競馬用語

枠順(わくじゅん)

発走するゲートの順。つまり馬番のことで、これは出馬投票のあと抽せんで決められる。9頭立て以上のレースでは枠順(馬番)と連勝式の枠番が異なる馬がいる。枠順は内から順につけられており若い番号は内枠、大きな番号は外枠ということになる。

輪乗り(わのり)

発走前にゲートの後方に集合した馬が、枠入りの合図がかかるまで輪を描くように歩きながら待機すること。