人生、勘違いしてしまうことも多くあります。
はい、ハリボテです！ハリボテなど、日々勘違い野郎な人生を歩んでいるわけですが、それでも迷惑がかかるのは自分だけ。
問題は、大きなお金が動く何かを自分の判断ミスで間違ってしまった…という時です。じつは、競馬にはそんな事件が多くあります。まぁ、騎手も人間ですから間違うこともあるでしょう。しかし、その間違った後のことを考えると…身震いしてしまいますね。
山田敬士騎手
さて、勘違いしてしまった…といえば、山田敬士騎手。
この名を聞いていろいろと思い出される方もいると思いますが、競馬史上まれにみる“やらかし王子”という異名を持っています。騎手というのは当然ですが、一日に何レースか馬に乗ってレースを行います。
その際、馬の特徴や戦法について考えるわけですが、ベースとなるのはその距離。1000mといったものがあれば3000mを超えるものまで、競馬のレースはその距離がそれぞれ違っています。つまり、しっかりとそのレースが何メートルなのかを把握し、それをベースに戦う…というのが基本なのです。
しかし、山田敬士騎手。どうやら、上手にそのレース距離を記憶するのが苦手らしく、大間違いをやらかしまくっているというのです。
発端は新潟
まず、山田敬士騎手の名前を轟かしたのが2018年10月13日に開催されたレース。舞台は新潟競馬場の6レース、3歳上500万下ダート2500mというものでした。ダートで2500mというなかなか馬にとっては負荷のかかるレースでもありますが、これに勝つことで今後長距離系の重賞を目指せるかもしれない、大切なレースです。
さて、そんな中、山田敬士騎手は二番人気のペイシャエリートというまじめな名前の馬に騎乗。厩舎の親方さんや馬主も勝てるぞ！と、意気込んで同レースを応援していたことでしょう。しかし、そこで事件がおきます。
距離錯誤！
山田敬士騎手は、このレースで逃げを選択。2500mのダートだというのに、案外飛ばしていたことが印象的でした。
まぁ、G1などでもありませんし、周囲の馬との実力の差があればそのまま逃げ切ることはできるでしょう。しかし、途中からどうも動きがおかしい。少し、その速度を緩めていったのです。
あれ？と、思われた方もいるでしょう。動画を確認するとわかりますが、抜かされているときに“は？”と、キョロキョロしています。山田敬士騎手は、ここで距離錯誤を認識。
あらためて馬群を追いかけるのですが、結果的に大敗。
さらに問題となったのが、最後に鞭を馬に打ってしまっていた…ということ。当然、馬は走る体制になっていないのにいきなり鞭を打たれて走らされるわけですから、より負担がかかります。“馬が壊れる！”ということで批判にさらされます。
結果、山田敬士騎手は無期限の騎乗停止処分。とにかく、いちから学び直してください…というような状況に陥ったのです。
不幸は続く！
さて、そんな山田敬士騎手。反省したり、いろいろ努力をしたのでしょう。2019年の10月に新潟に復帰しました。
しかし、奇しくもそのレースはまたもダート2500m。悪夢がよみがえるか、あの悪夢を勝利というパターンで乗り越えるか、一部の競馬ファン（だいぶマニアックでしょう）たちから大注目されていたようです。同レースで山田敬士騎手が騎乗したのが、スズヨブラックという馬。なかなか強そうな名前ですよね。
しかし…なんとゲート内で大暴走してしまったとのことで発送除外。せっかくの復帰戦が、今度は馬が“俺はこんなやつに乗ってほしぐねえ！”というパターンで保留になってしまったのです。なんという不幸な男、山田敬士騎手…。
活躍はできる！
とはいえ、才能はあると知られているためか、前回の距離錯誤においてもそこまで咎められなかったそうです。
実際、こういったプレーをしてしまい謹慎になったのは 3ヶ月程度。さらに、馬のオーナーさんにも謝罪にいったそうですが、才能のある選手に乗ってもらってうれしい。これからも活躍間違い無しの騎手なのだから、ぜひがんばってほしい！と、ねぎらいの言葉までもらったのです。
こんないい人、いますかね？あり得ます？まぁ、ふざけているわけではありませんし、こういった時は頭が真っ白になってしまうはず。最後の追い込みもせず、立ち止まっていたらさらに批判は大きかったでしょう。
そもそも、山田敬士騎手はそれなりに騎手仲間から愛されているとのこと。検量室でこの山田敬士騎手の距離錯誤を見て多くの騎手はゲラゲラ笑っていた…ということを考えると、まあ人徳はあるんだぁ…という印象ですね。
勘違いもある！
山田敬士騎手も人ですからね、勘違いすることもあるでしょう。新潟のリベンジ復帰戦も保留となったり、踏んだり蹴ったりではありますが大丈夫。山田敬士騎手をハリボテは応援します。だって、勘違い仲間ではないですか。え？お前と一緒にするな？！ちっくしょぉ！