近頃、競馬場に行けていない方は本当に退屈な日々を過ごしていると思います。もちろん、競馬はネットでも馬券を購入できますが本場の気持ちよさを一度体感したら家にいても暇すぎて死んでしまいそうになります。
さて、ハリボテは競馬場が大好きなわけですが、あの芝生についてどういった手入れをしているのか気になって調べてみました。中山競馬場を例に挙げ、競馬場の芝生事情について考えていきたいと思います。
●競馬場の芝生は手入れがすごい!?
JRAで開催されている競馬の花形といえば芝生のコース。重賞はもちろん、G1レースなどはほぼ芝生で開催されています。さて、この芝生ですが総面積でいくと500キロもあるそうで、そこを週末はいつも馬が走りまくっているわけですから手入れが地獄。
馬の踏み込みというのはとんでもないもので、馬力という名に相応しく芝生の土を思い切り蹴り上げてしまう…そんなパワーです。そのため、常に競馬場の芝生を管理している方は徹底したケアをしなければならず、苦労されているのです。
●芝は9月が第一開催
中山競馬場は、1年を通じて5回開催というルーティーンでなりたっているそうです。
1階の第1回開催をきっかけに、12月の第5回開催で一年が幕を閉じるわけですが、芝生は第4回開催となる9月が1年のスタートなのだそう。つまり、4月に入社して翌年4月で終わる会社ではなく、9月から始まって9月に1年が終わる…という特殊なシステムで整備されているそうです。
●5ヶ月の空白がキモ!
さて、なぜ第4回開催が芝生の本領発揮時期とされているのでしょうか。
まず、中山競馬場は第3回開催を期に、約五ヶ月ほどお休みになるそうです。春から夏にかけて…確かにこの時期は新馬戦なども多いですし、阪神や新潟、小倉などもよく動いていますね。中山競馬場に関しては、この期間こそが芝生の手入れのチャンスなわけで、大規模な手入れが行われるのだそうです。
毎週レースがある時期に耐えるために、相当細かなメンテナンスが行われており、さらに競馬が開催された時も耐久させることができるように、それらの作業ルーティーンなども整備しているのでしょう。“中山、競馬開催されてねえから暇だろうなぁ”なんて思っていたハリボテはびっくりこきました。そりゃそうですよね、感謝の気持ちしかありません。
●育成している
さて、4月に行われる第3回開催を最後に、長いお休みに入る中山競馬場。芝生を管理するチームはここから1年で最も忙しい作業に入ります。
どうやら、3〜4コーナーがもっとも芝生が傷んでしまっているようなので、このあたりの芝生は総取っ替えとなるそう。
いったん、芝生を思い切り取ってしまい新しい芝生を植えます。しかし、放置しているだけだと芝生は育ちませんので、毎日のようにスプリンクラー的なもので水を使って芝を育てます。そう考えると、我々は春の芝生がもっともキレイなようなイメージを持っているのですが、じつは中山競馬場に関しては9月頃の芝生がもっとも美しいと考えられます。
第4回開催の初日に今度行ってみようかな、と思いますね。さらに、レアなことに第4回中山開催の場合、貼付けただけの芝生ではなく野生の芝が多く残っているのだそう。
要するに、まだまだ残暑が厳しい時期だけに野芝が枯れたり抜けることなく、元気に生えてしまっているとのこと。まぁ、野芝はかなり圧力に強いので芝生を整備する側からすればうれしい反面、それでも荒れることは間違いないのでその整備は面倒でしょう。
●12月は洋芝が活躍
さて、第4回開催が終わる頃にはすでに野芝は休眠期に入っていることから12月の第5回開催で活躍することはできません。では、芝生のない状態でレースをするのか…というと、それはあり得ません。
有馬記念がありますからね、中山は。jつは、第4回開催から第5回開催までの2ヶ月間、このわずかな時間に洋芝の種をまいてその日がやってくるまで湛然に芝生を生え変わらせるのです。
とはいえ、野生の芝生を刈り取ってしまうわけではなくシートを敷き、その上にびっしりと洋芝の種をまくというやり方だそうです。とはいえ、しっかりと生えたとしても洋芝は圧力に弱いために、日々どんどん芝生部分は禿げていきます。
結局、有馬記念の頃にはインコースはかなり土が目立つようになっています。こんなところ、考えて見ている方はいないと思いますがレースに多少は影響するかもしれませんね。
●芝生についても知ると面白い?
今回は、中山競馬場における芝生の話となりましたが、当然ほかの競馬場であっても芝生の管理はしていることでしょう。やはり、芝生のことを考えていると競馬場に行きたくなりますよ。
芝生の上で弁当を広げ、さらにビールと焼酎、ウイスキーを飲み明かす。って、お前競馬場に何しにきてんだ!と、おしかりを受けそうな発言訂正いたします。とにかく、中山の第4回開催の初日は今年チャレンジしようと思います。きれいな芝生、見たいですからね!