馬主、中井正賢。生産者、吉田一成。

これだけの情報で「!?」となったアナタはハンパではないマイナー競馬好きです。

基本、ハリボテは中央競馬を紹介しているのですが、たま〜に地方のこともお伝えしています。地方には中央をしのぐどうしようもないネタがあったりしますからね。

中国でオジさんや子どもが穴や壁に挟まる系のニュースと一緒です。今回、ハリボテが目をつけたネタはコチラ。ぜひ、ご覧ください。

●オバサンオバサン

中央競馬には、オジサンオジサンというふざけた名前の競走馬がいました。

大した活躍ができないまま消えていってある意味で伝説の競走馬ですが、地方競馬にも負けずとも劣らずな競走馬「オバサンオバサン」が存在しています。

オジサンオジサンはなんとなく応援したくなるものですが、オバサンオバサンはちょっとなんとも言えない気持ちになってしまいますよね。実際、リアルな人間にオジさんというのは普通ですが、「おばさん」という言葉をかけるのはあまりにハードルが高すぎやしないでしょうか…。

まぁ、このオバサンオバサン。どういった馬だったのか簡単に振り返っていきましょう。

●全然勝てなかった!?

オバサンオバサンは、1996年5月14日に生誕した牝馬。

クリエイターとカシュウモアーという馬を親にもつ、平均レベルの競走馬ということで知られています。

さて、このオバサンオバサンなのですが成績を見てみると、「通算43戦2勝」。大変、微妙な成績があるが故に多くの方は存在すら知らなかったことでしょう。このオバサンオバサンですが、ある意味で名前に恥じずなかなかの経歴を持っています。

まず、デビュー戦。1999年に旭川が初出走だったわけですが、着順がなんと除外。

あまりの鮮烈デビューぶりにハリボテも身震いしている状態です。さらに注目したいのがリアルなデビュー戦である、旭川のD4。なんと、10頭中9番人気という嬉しい状況で着順も7着としっかりと印象を残すことなくデビュー戦を終えているのです。

●初勝利は…

さて、そんなオバサンオバサン。

普通、自分が馬主だったらもう諦めていろいろな作戦をたてると思うのですが、まだまだ元気に出走させ続けられます。

負けが続いている中、ついに初勝利の日を迎えることになります。それが、デビュー戦から約1年後の2000年8/15日。終戦記念日に、D4というレースでやっと1着をゲットしたのです。

さらに、11頭中人気が7番という中での快挙。このレースは荒れに荒れたことが用意に想像することができますよね。さらに次のレースでは4番人気ながら2着に入賞。これは勝ち続けるのでは!?

と思いきや負け込みます。

●1年おきの勝利

その後、さまざまなレースに出走するオバサンオバサンですが、なかなか勝ちに恵まれません。

同年に一度だけ2着に入賞するものがほかあったのですが、基本的に4から5着。どうしても実力を発揮できない日々が続きます。さて、そんなところで1年後とはいいませんが、初勝利から数ヶ月後の2001年5月。

今度は、D1-3というレースで久々の勝利を掴むことになっったのです。10頭中5番人気でありながら勝利をおさめたわけですから、これまた万馬券の香りが漂うというものです。

さぁ、ここからオバサンオバサンの逆襲撃の始まりじゃぁ!といきたいところだったのですが…まぁ、現実は厳しいですね。

●不遇の日々が続く

基本的に勝利できた馬はネクストレベルなレースに出走することになります。当然、オバサンオバサンも2勝をあげたのですからネクストステージへ昇格しているわけです。

C系のレースですね。しかし、ほかの馬がそこそこ強いこともあり、全然勝つことができません。最高3着にまで滑り込むレースが数種あるのですが、それで常に人気は6、7、8といった微妙なところ。ぱっとしない成績の日々が続きます。

そして、ついに2002年11月の門別でのレース。C2-3組のレースでの4着を最後にオバサンオバサンはこの世界から姿を消すことになったのです。

とはいえ、オバサンオバサンというネーミングがなければ誰も相手にもしない、埋もれた馬だったに違いありません。オバサンオバサンは、ある意味で競馬界に伝説を残していった…。そう考えるべきなのではないでしょうか。

●これはいいのか!?

さて、今回は地方競馬のことについてお伝えしましたが、衝撃的なことがあります。大抵、JRAで2勝して入賞もそこそこしていればそれなりの獲得賞金をゲットすることができます。

しかし、オバサンオバサン。なんと、生涯獲得賞金が208万円だったと記載されているのです。え?2から3年育ててこれか…。もはや、バイトの方がずっと儲かりますよね。この馬主、相当金持ちであることが考えられます。

地方競馬はあまり儲からない…と聞いてはいるのですが、ここまでとは「驚き桃の木山椒の木」ですね。ぶっ飛びです。

オバサンオバサンをJRAで見ることは一生ありませんが、その存在は重要なものだったはずです。オバサンオバサン。皆さんも忘れずに心の奥底にしまっておいてくださいね。